芸術文化論[愛媛大学]

講義概要

• 開講年度：2002
• 学部等：教育学部
• 学科・課程等：芸術文化課程
• 授業科目の区分：専門教育科目
• 対象学生：芸術文化課程１回生
• 開講学期：前学期時の集中
• 単位数：2
• 授業科目名：芸術文化論
• 講義題目：芸術文化論
• 担当教員名：吉成　順(学外非常勤)
• 授業のキーワード：芸術，文化，近代，メディア，コミュニケーション
• 授業の目的・到達目標：
  　「芸術文化課程」に属するものが、自分の携わる「芸術」活動を歴史的・文化的に相対化し、自分のポジションを確認するとともに、今やかつてなかったほど大規模な地殻変動の時期を迎えている「芸術」文化の今後にどう関わっていくのかを自覚するためのきっかけとなることを目指す。
  　美術なり音楽なりの活動を積極的に行っている人の多くは、自分の活動を「芸術」と自認し、それをとりわけ価値あるものと信じていることだろう。だが、そんな風に「芸術」として美術や音楽を捉える考え方は、西洋近代という限られた一時期の文化の中で形成された特殊なものだといってよい。時代や地域が違えば、美術や音楽のあり方も変わる。社会や文化が同一不変のものでない限り、「芸術」も不変ではない。近代的「芸術」観を否定する必要はないにしても、社会や文化の様々な局面で「近代」がほころびつつあり、またとりわけメディア・テクノロジーの著しい発達によって従来の常識を覆す全く新しい状況さえ生まれつつある今、それを相対化することは、これからの時代に「芸術」に携わっていこうとするものにとって必要かつ不可欠な作業である。この授業ではそのために有益と思われる様々な材料（情報）が提示され、受講生はそれを触媒として自分の「芸術」観を見つめなおすことになるはずである。
• 授業の内容・スケジュール：　前期3日間の集中講義の間に、以下のような内容が含まれる予定。
  • 「芸術」という言葉の範囲
  • 非「西洋近代」的な芸術の諸相
  • 西洋における近代までの芸術の流れ
  • 西洋近代的「芸術」理念の成立と特徴
  • 20世紀芸術における脱近代化の系譜
  • ハイ・カルチャーとポピュラー・カルチャー
  • メディア・テクノロジーの発達と芸術
  　授業は、単なる理論の講義に留まらず、なるべく感覚上の芸術体験を伴ないながら様々な芸術のあり方が理解できるよう考慮して、ビデオなどの視聴覚教材を積極的に利用する形で進められる。
• 受講生にかかわる情報：　美術専攻の人と音楽専攻の人の両方を対象とするので、専門外の話題は関心がなかったり理解しにくかったりするかもしれない。が、それを拒絶するのでなく、むしろ視野を拡げる絶好の機会として積極的に利用するつもりで授業に臨んでもらいたい。知識は少なくてもかまわないが、芸術や文化全般にわたる幅広い好奇心のあることが望ましい。
• 受講のルールにかかわる情報：　集中講義開始時に受講生の専攻内容等に関する簡単な予備調査をし、授業の具体的な進め方に反映させる予定。それ以外でも、質問や提言など、積極的な受講態度が歓迎される。
• 教材にかかわる情報：教科書は特になし。参考資料等は適宜指示する。
• 評価にかかわる情報：集中講義終了後のレポート提出による。
• その他：

講義メモ